北海道で唯一の人形浄瑠璃一座として1995年に誕生。歴史のない北海道から新たな気持ちで人形浄瑠璃を発信していきたいとアイヌ語から『あしり(=新しい)』座と命名。北海道発の新たな伝統文化の創造を目指している。
代表者名 | 矢吹 英孝 |
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人数 | 37名 |
設立年数 | 1995年(平成7年) |
上演時間 | 13分 |
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対象年齢 | 小学生~大 |
あらすじ | 能の「翁(おきな)」を下敷きにした、天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を祈るお祝いの踊りで、舞台の幕開きに演じられます。田植えを舞う「揉みの段」と、鈴を持って舞う「鈴の段」からなりたっています。深々と礼拝し、足拍子高く大地を踏みしめ、稔の精霊を呼び覚ます、厳かな舞の前半と、抱えた升から種を蒔き、豊かな実りと生命の繁栄を祈る後半とで構成されています。踊り比べも楽しい二体の三番叟が華やかに舞台を彩ります。 |
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上演時間 | 18分 |
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対象年齢 | 小学生~大人 |
あらすじ | お七の恋人、吉三郎は紛失した「天国の剣」を探しています。しかし、剣が見つからず、探す期日も今宵限りとなったため、切腹を決意し別れの手紙をお七に送ります。それを知ったお七は、下女のお杉の助けで剣を手に入れ、夜の町へ飛び出しました。しかし、九つの鐘が夜空に鳴り響きました。この鐘を合図に江戸の町々の木戸が閉まり、通行が禁じられます。門口にそびえる火の見櫓の太鼓を打てば、出火と思って、木戸が開けられると思ったお七は、禁制の火の見櫓に登り、降りしきる雪の中で太鼓を打ち鳴らすのでした。 好いた男に会うために江戸八百八町に放火し、火あぶりの刑に処された“八百屋(やおや)お七”がモデルです。お七が櫓を登っていく時の独特の人形の遣い方も見所の一つです。 |
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上演時間 | 30分 |
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対象年齢 | 小学生~大人 |
あらすじ | 安珍、清姫の道成寺伝説を題材としたお話しです。 紀伊国(現在の和歌山県)の豪族、真砂庄司(まさごしょうじ)の一人娘、清姫は、都で若く清らかな山伏、安珍を一目見て恋心を抱いて帰ります。再び会う約束の日、安珍は現れませんでした。清姫は安珍の心変わりを知り、追いかけ探し求めます。安珍の逃げて行った先が、日高川を渡った紀州の道成寺と知ります。日高川にたどり着いた清姫は、河岸の渡し船の船頭に対岸に渡してくれるよう頼みます。しかし、船頭は安珍に頼まれていると言って清姫を船に乗せることを拒みます。悲嘆にくれた清姫は、なんと恨みの思いが凝り固まり、その姿を蛇へと変え、泳いで渡っていくのでした。 |
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上演時間 | 45分 |
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対象年齢 | 小学生~大人 |
あらすじ | 相手を想う心が互いに通じ合ったとき、観音菩薩が奇跡を起こす、夫婦の愛の物語です。 大和の国の壺坂に住む沢市は幼い頃にかかった疱瘡(ほうそう)で盲目ですが、献身的で美しい女房のお里が針仕事など内職をして、夫婦で慎ましく暮らしていました。 あるとき、沢市は毎夜、家を空けるお里にほかの男ができたのではないかと疑いますが、実は、お里は沢市の目が治るようにと壺坂寺の観音様にお参りを続けていたと告白します。お里の真心を知った沢市は自分を深く恥じ入ります。 壺坂寺への道行になり、二人は山にたどり着きます。すると沢市は、自分さえいなければお里に幸せがやってくると考え、おさとのいない間に谷底に身を投げます。胸騒ぎを覚えたお里が戻ってくると、夫の姿がありません。杖を見つけ、恐る恐る谷底を見れば月光に沢市の亡骸がありました。もはやこれまでとお里は後追い心中します。 二人の遺体の頭上には、光り輝く観音様が姿を現します。お里の信心を褒め、沢市の心根を哀れんで慈悲をかけます。二人は蘇生するばかりか、沢市の目も治り、ともに手を取り合って喜び、観音様にあらためて感謝するのでした。 |
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上演時間 | 全五段通し狂言3時間(各段30分〜45分) |
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対象年齢 | 小学生~大人 |
あらすじ | 天明2年(1782年)、伊勢を出発し、光太夫ら17人を乗せた船「神昌丸」は江戸へ向かう途中に嵐に遭い、約7か月の漂流後に当時はロシア帝国の属領だったアムチトカ島に漂着します。この島で寒さと飢えのため仲間が次々と死んでいきますが、漂着から4年後、現地のロシア人たちと協力し流木や壊れた船の古材を集めて船をつくり、光太夫たちは島を脱出します。ロシア本土に渡った彼らは、オホーツクからヤクーツク、そしてイルクーツクへ向かいます。途中、1人が重い凍傷で片足を失い、さらに1人が病死します。 そのような苦難の末、博物学者キリル・ラックスマンの助けを借りて、ラックスマンと共に、女帝エカチェリーナ2世に帰国願いを出すために、ロシアの西の端の帝都ペテルブルグへ向かいます。数か月後、ついに夏の宮殿で女帝に謁見し、帰国が許されます。 漂流から約十年を経て、光太夫を含む3人が根室に上陸し、ついに帰国を果たすのでした。 |
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